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イオン交換ゼオライトへの粒子線照射による・・・


目的:ゼオライトあるいはメソポーラス多孔体の規則配列した細孔を利用して、微細な金属クラスターを細孔内に規則的に配列させた材料(クラスタークリスタル)合成の試みが盛んになされている。こうした細孔内への金属クラスターの導入によって、高密度記録媒体や新規電子・光学材料の開発への新たな展開が可能になると期待されている。
本研究では、イオン交換ゼオライトへの高エネルギー粒子線照射法が、新たなクラスタークリスタルの作製方法として有効であることを示した。
結果:硝酸銀水溶液を用いてイオン交換し、2種類のゼオライトNa-LTAおよびNa-FAUのAgイオン交換型ゼオライトを作製した。これらに200keVの電子線を照射すると結晶構造が破壊されるが、その損傷過程においてゼオライトの細孔配列に対応したAgクラスターの規則配列構造が形成された(図1)。

図1 図1

図1 Agイオン交換型LTA(左)とAgイオン交換型FAU(右)への電子線照射によって形成されたAgクラスター
Agクラスターが黒いコントラストで観察されている。クラスターの配列は、ゼオライトの細孔配列に対応している



 これは、電子線照射によってゼオライト結晶の結合が切断され、ゼオライト中で酸素四配位であったAlがより安定な酸素六配位をとることによってAg+がAgに還元され、それらの幾つかが互いに凝集してAgクラスターを形成したものと考えられる。

図2 → 図2

図2 電子線照射によるAgクラスター形成機構電子線照射によって四配位Alδ-は安定な六配位Alに変わり、それに伴ってAg+はAgとなって細孔内に凝集する。



 また、シリカライト膜にAu-200MeVのイオン照射を行い、照射イオンの飛程に沿った円柱状欠陥の導入を実現させた。この欠陥は、一部にMFI結晶構造を保持しながらも殆ど非晶質化していた(図3)。この結果は、金属イオンによってイオン交換されたゼオライトを標的材料として高エネルギー重イオン照射することにより、照射イオンの飛程に沿って金属クラスターを分布させることが可能であることを示唆している。

図3 図3

図3 高エネルギーイオン照射(Au-200MeV)によってゼオライト結晶中に形成された円柱状欠陥。


今後の展開: 本手法によって得られる材料系は、非晶質シリカ内に金属クラスターが規則配列した材料として整理される。他の金属イオン交換ゼオライトに応用することにより、様々な金属クラスタークリスタルの形成が期待され幅広い応用展開が可能である。

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