研究開発分野 JFCC Home Link Site Map English
受託研究 試験評価 機器利用 技術相談 標準物質 賛助会員
センター紹介 研究開発 材料技術研究所 ナノ構造研究所 広報活動 アクセスマップ

戻る

EB-PVD法による新遮熱コーティングの開発


概要:電子ビーム(EB)-PVD法を用いて低熱伝導かつ高温安定性に優れる遮熱コーティングの開発に成功した。

背景・目的
 EB-PVD法によって合成された遮熱コーティング(TBC)はナノ複合構造を有し、次世代の遮熱コーティングとして注目されているが、従来用いられている溶射法によるTBCに比べて熱伝導率が高いことが問題となる。本研究では、EB-PVD法を用いて低熱伝導性TBCを開発することを目的としている。

成果
1)モデル材を用いた焼結抑制物質の探索
 焼結体を用いてZrO2-4mol%Y2O3(YSZ)の緻密化を抑制する添加物の探索を行ったところ、La2O3の添加が焼結抑制に有効であることを見出した。

2)La2O3添加YSZ皮膜の熱伝導率と組織
 EB-PVD法で合成したYSZ皮膜の熱伝導率は、 La2O3の添加によって従来の1/3程度にまで大きく低下することがわかった(図1)。
 開発した皮膜の組織を図2に示す。無添加材では比較的緻密な構造となっていたが、La2O3添加材では柱状晶内部に羽毛状組織等の欠陥が多く導入されていることがわかる。このような欠陥組織によって、低熱伝導化が達成できたものと考えられる。 La2O3の添加によって低熱伝導化が達成できたのは、主に成膜中の焼結抑制によってナノ組織を安定化し、熱遮蔽に有効な欠陥を柱状晶内部に多く導入できたためであると考えられる。

3)La2O3添加YSZ皮膜の高温安定性
 TBCでは、高温で焼結が起こり,熱伝導率やヤング率が上昇することが剥離の原因となる。 La2O3添加YSZ皮膜では、1200℃での熱処理においても熱伝導率の上昇が抑制され、皮膜の高温安定性が高いことがわかった。


まとめ
 従来にない低い熱伝導率と高い高温安定性を有するTBCの開発に成功した。今後、さらに構造及び組成の最適化を行い、熱機械的特性に優れるEB-PVD皮膜を開発する。


【謝 辞】 本研究は、新エネルギー・産業技術総合開発機構の受託による「ナノコーティング技術プロジェクト」の一環として実施したものである。
連絡先 : 松本峰明 (matsumoto@)

戻る
Copyright (c) by Japan Fine Ceramics Center All rights reserved.