1研究成果 / 革新複合材料・機能材料
R-3
2020
先進遮熱コーティング用酸化物の結晶構造と熱伝導性の関係
課題
航空機エンジン用耐熱部材の遮熱コーティングとして期待されるカチオン欠損ペロブスカイト型酸化物(RTa3O9)の結晶構造と熱伝導性の関係については明らかでない。
解決手段
・RTa3O9(R:La、Nd、GdおよびYb)の熱伝導率を実測
・結晶格子レベルのフォノン散乱を仮定して算出した各温度での最小熱伝導率と比較し、低熱伝導性発現に寄与する局所構造因子を推定
成果・新規性
・Rのイオン半径が小さく、かつ、正方晶の場合は、単位格子の2~3倍の大きさのナノドメインを形成
・Rのイオン半径が小さく、高温であるほど熱伝導率の実験値は小さく、かつ、最小熱伝導率に近づく。
・熱伝導率の実験値は温度上昇に伴い低下するが、逆に最小熱伝導率はわずかに上昇
⇒ドメイン界面におけるフォノン散乱が低熱伝導性発現に寄与することを示唆
RTa3O9の熱伝導率の実験値と最小値との比較
期待される市場・応用
・航空機エンジン、発電用タービン等の遮熱コーティング材料
発表文献
S. Kitaoka et al., ITSC2019 (2019) 246-251.
謝 辞:本研究は、防衛装備庁安全保障技術研究推進制度委託事業の一環として実施されたものである。