<< 戻る | 2009年1月22日 |
Science誌上で発表 |
発表概要: 財団法人ファインセラミックスセンター・ナノ構造研究所の幾原雄一客員主管研究員(東大教授・東北大教授)、東京大学大学院工学系研究科・総合研究機構の柴田直哉助教(科学技術振興機構さきがけ研究員)らの研究グループは、酸化チタン表面原子の直接観察に成功し、これまで不明であった表面構造を原子レベルで解明した。本研究により、触媒をはじめとする酸化チタン材料の原子スケールからの機能制御に大いなる進展が期待できる。本研究の成果は、10月24日(金)付の米国科学雑誌“Science”で発表された。 発表内容: 酸化チタン(TiO2)は、触媒、太陽電池、バイオセラミックスなど環境に優しい材料として期待されているが、そのユニークな機能の発現には結晶表面が極めて重要な役割を担っている。しかしながら、これまでTiO2の表面構造を原子レベルで詳細に決定することは極めて困難であった。今回、財団法人ファインセラミックスセンター・ナノ構造研究所の幾原雄一客員主管研究員(東大教授・東北大教授)、東京大学大学院工学系研究科・総合研究機構の柴田直哉助教(科学技術振興機構さきがけ研究員)らの研究グループは、最先端の原子直視型透過電子顕微鏡を用いることで、TiO2表面原子の直接観察に成功し、複雑な3次元表面原子構造を世界に先駆けて解明した。このブレークスルーにより、表面構造と機能の関係を本質的に理解することが可能となり、触媒をはじめとする新材料開発に拍車がかかるものと期待できる。 本研究は、文部科学省特定領域研究「機能元素のナノ材料科学」(領域代表者:幾原雄一)、科学技術振興機構戦略的創造研究推進事業個人型研究さきがけ「界面の構造と制御」(研究総括:東京大学大学院新領域創成科学研究科 川合眞紀教授)の支援により行われた。 酸化チタン(TiO2) 光触媒、触媒担体、センサー、電子部品、顔料等さまざまな用途に用いられる機能材料。近年、環境材料として注目されている。 |
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