<< 戻る | 2012年6月20日 |
1.発表概要 |
JFCCナノ構造研究所、トヨタ、東大、東北大の研究グループは、技術開発競争が激化しているリチウムイオン電池であるが、電気自動車用途など、更なる高性能化に向けて全固体型Liイオン電池が盛んに研究されている。実験の困難さなどのためこれまで、明らかにされていなかった電池材料中の粒界が全固体電池の特性に与える影響の理論計算に、高性能の電子顕微鏡との連携により、世界ではじめて成功したと発表した。この成功を契機として、これまでリチウムイオン電池の分野において不明な部分の多かった電池材料中の粒界・界面が電池特性に与える影響についての研究が促進され、電池材料開発のブレークスルーになることが期待されている。 本研究の成果は、7月6日(愛知県産業労働センター ウインクあいち)、7月12日:東京大学で開催されるファインセラミックスセンター研究成果発表会で発表される。 |
2.発表内容 |
リチウムイオン電池は、携帯電話やパソコンのバッテリーとして広く用いられている。近年では電気自動車用バッテリーとしての研究開発も盛んに行われており、世界各国でその開発技術競争が激化している。更なる高性能化に向けて可燃性の電解液を用いない全固体型Liイオン電池が盛んに研究されている。しかしながら、全固体型のLiイオン電池構造にすると、これまであまり問題になっていなかった、電池材料中の粒界や界面が特性に大きな影響を及ぼすこととなり、これらの電池特性に与える影響およびそのメカニズムの解明が求められていた。 今回、同グループは、代表的な正極材料であるLiCoO2薄膜中の粒界構造をJFCCナノ構造研究所に導入された最高性能球面収差補正走査透過電子顕微鏡(STEM, Scanning Transmission Electron Microscope)を用いることで原子レベルで粒界構造を特定し、得られた構造データを用いて、第一原理計算と呼ばれる理論計算により、電池特性に与える影響検討した。その結果、今回研究したような整合性の高い粒界であっても、Liイオン拡散係数を粒界を通過する方向へは3桁程度低下させ、電池特性として重要なパワー密度を劣化させる原因となりうることが明らかになった。 本結果により、電池材料中の粒界が電池特性に与える影響の一端が明らかになったことを受け、この分野の研究が促進され、全固体リチウムイオン電池開発にさらに拍車がかかるものと期待されている。 |
3.本成果の発表 |
JFCC研究成果発表会にて発表、7月6日:愛知県産業労働センター ウインクあいち 、7月12日:東京大学「武田ホール」(武田先端知ビル5F)。 |
4.問い合わせ先 |
(財)ファインセラミックスセンター (JFCC) ナノ構造研究所 グループ長 森分博紀 〒456-8587 名古屋市熱田区六野二丁目4番1号 TEL : 052-871-3500 (代表) 052-889-1666-572(dial-in) FAX : 052-871-3599 E-mail : moriwake@※ |
5.キーワード |
リチウム電池 リチウムコバルタイト(LiCoO2) 球面収差補正走査透過電子顕微鏡 第一原理計算 JFCCナノ構造研究所(2007年に中経連が中心に設立した研究所) |
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