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<< 戻る 2013年2月14日


発光の変化によって「ひずみ」を検出するセラミックス材料を開発
					非接触・ワイヤレスでの変形診断が可能となり、いろいろな応用が期待される
					中部電力(株)、(財)ファインセラミックスセンターの共同研究



 中部電力株式会社および一般財団法人ファインセラミックスセンターは、従来技術であるひずみゲージでは対応が困難な電力設備の高温部材のひずみ計測等による健全性評価を目指し、物質の変形度合いを示す「ひずみ」量を光学的に検出するセンサーに応用できる可能性のあるセラミックス材料を開発した。

 このセラミックス材料は、SrAl2O4(テトラオキソジアルミニウム酸ストロンチウム)にCrを微量添加した酸化物である。この材料に紫外線や可視光(短波長)などを当てることで、波長770nm付近の光を発する「蛍光性」*を見出した。この材料を変形させることで、この発光の波長が大きく変化する現象を新たに発見した。

 従来材料として、Al2O3にCrを微量添加した酸化物が蛍光現象を示し、その発光波長がひずみによって変化することは知られていた。この従来材料との比較において、開発したCr添加SrAl2O4では、同じひずみ量を受けた際の波長変化が約20倍に増加し、感度が向上した。

 変形を測りたい対象物にこの材料を密着させることができれば、その発光波長を測ることで対象物のひずみを検出できる。つまり、発光の変化によって「ひずみ」を計測できることで、非接触・ワイヤレスで対象物の変形診断が可能となり、以下のような応用が期待できる。

<電力設備への応用例>
 ・ 発電設備の高温配管など構造物の遠隔計測によるひずみ分布の診断
 ・ 非接触の特徴を生かし、タービンロータなど回転体の変形診断
 ・ 高所や立ち入り管理区域などにおける対象物の変形を遠隔診断

<他産業での応用例>
 ・ 電気式ひずみゲージが苦手とする電磁コイル(電動機)周辺など電磁波環境での変形診断
 ・ 非接触の特徴を生かし、道路・鉄道など移動体からの遠隔変形診断
 ・ 顕微鏡レベルの微視領域での変形診断

今後、この材料を対象物上に密着させ、感度良くひずみを測定できる技術を確立していくことで、応用展開に繋げていきたい。
*「蛍光」:ある材料に紫外線や可視光(短波長)などを当てることで、その材料特有の波長帯の光を発する現象(発光現象の一種)




図1. 開発材料Cr添加SrAl2O4の外観と、ひずみ検出のイメージ





図2. 開発材料Cr添加SrAl2O4の蛍光スペクトルと、引張ひずみによる発光波長シフト





図3 開発材料Cr添加SrAl2O4と従来材料の感度特性(波長シフト)


<本研究に関する連絡先>

一般財団法人ファインセラミックスセンター 材料技術研究所 奥原 芳樹
TEL : 052-871-3500、FAX : 052-871-3599、E-mail : okuhara@
(※メール発信は@の後ろに jfcc.or.jp を付けて送付ください)

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(一財) ファインセラミックスセンター 研究企画部
TEL 052-871-3500
FAX 052-871-3599
e-mail:ressup@
(※メール発信は@の後ろに jfcc.or.jp を付けて送付ください)