2017年度

JFCC研究成果集

科学技術イノベーションを推進する革新材料開発と先端解析技術

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R-10
2017

高感度電子線ホログラフィーを用いたGaN系量子井戸発光層の電位計測


技術のポイント

GaN/GaInN量子井戸発光層内部の電位分布をナノメートルオーダーで定量的に計測することに成功

基礎研究


背景
GaN系光デバイスの量子井戸発光層では、結晶構造のひずみによるピエゾ分極が発生し、発光波長のシフトや発光効率低下の原因となることが知られている。高性能なデバイスを設計するためには、ピエゾ分極を直接的に評価・制御することが重要である

目的
GaN/GaInN量子井戸発光層内部に生じたピエゾ分極を評価するため、高感度高分解能電子線ホログラフィーを用いてナノオーダーの電位分布を直接観察し、ピエゾ分極に影響を受けた電場を計測する

成果
(1) 位相シフト電子線ホログラフィー技術を用いて、GaN/GaInN量子井戸発光層内部の電位分布をナノオーダーで可視化することに成功
(2) バリア層(GaN)内部での電場を計測。ピエゾ分極による電場と、pn接合による電場の影響を受けていると考察


(a)ピエゾ分極を考慮しないバンド図
(b)ピエゾ分極を考慮したバンド図
(c)量子井戸層のTEM像
(d)量子井戸層の電位分布像
(e)量子井戸層の電位プロファイル



期待される適用分野
GaNを用いた次世代光デバイスの開発

謝辞 本研究は、名城大学との共同研究として実施したものである



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