2014年度

JFCC研究成果集

技術革新を支える新材料開発と先端解析技術

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2014-10

第一原理計算による水素吸蔵Ti-V合金の固溶状態解析


技術のポイント

原子レベルの理論計算により、Ti1-xVxH2合金の固溶状態について解析する

基礎研究


背景
Ti-V合金は燃料電池自動車用水素吸蔵合金の有力な候補である。しかし、各元素の結晶サイトの占有状態に関するデータが少なく、正確な固溶状態は分かっていなかった。

目的
Ti-V二元合金の水素化物の固溶状態について理論計算を行い、規則構造の有無を検討する。

成果
Ti1-xVxH2を対象に、9組成で不規則(ランダム)構造と代表的な規則構造の生成エネルギーを比較した
結果、Ti:Vの比率が1:1の場合に、低温で規則構造が出現する可能性があると分かった。但し、規則構造と不規則構造のエネルギー差は20meV程度であり、高温の合金合成条件下では不規則固溶状態にあると考えられる


・手法:PAW法による第一原理バンド計算(VASPコード)
・評価:生成エネルギー(近似) ΔE=(合金の電子エネルギー)−(1-x)(TiH2の電子エネルギー)-x(VH2の電子エネルギー)
図1. Ti1-xVxH2の生成エネルギー
図2. x=0.5 規則構造と不規則構造例



期待される適応分野
? Ti-Vベースの多元水素吸蔵合金の開発
? 燃料電池自動車用水素吸蔵タンクの開発

謝辞 本研究は、NEDOの「水素利用技術研究開発事業」の一環として実施したものである。



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