2015年度

JFCC研究成果集

次世代を支える新材料開発と先端解析技術

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2015-3

PMMA骨セメント用高生体活性な窒素含有酸化チタン粒子の開発


技術のポイント

酸素を僅かに含む窒素中での熱処理により生成される酸化チタン粒子は、高い水酸化アパタイト形成能を発現

基礎研究


背景
酸化チタンを混合した骨セメント(アクリル系高分子重合型医療用接着剤)と 生体骨間の結合力のさらなる向上が望まれる。

目的
酸化チタン粒子自体の表面機能を積極的に制御するという視点から、  生体活性能を向上させることを検討する。

成果
(1) TiO2前駆体を極微量の酸素を含む窒素中(PO2=10-13 Pa)で熱処理して得られたルチル型TiO2粒子は、水酸化アパタイト(HAp)形成に対して優れた活性を有する。
(2) TiO2粒子表面近傍への窒素の固溶に伴い、粒子表面が正に帯電することが、HAp形成能向上に寄与していると考えられる(1-2)


(1) TiO2前駆体:TiCl4 + 4NH4OH → TiO2 + 4NH4Cl + 2H2O
(2) 造粒:スプレードライで数mmに造粒 
(3) 熱処理:ロータリーキルン炉1073 K, 窒素雰囲気(PO2 = 10-13 Pa), 1073 K×6 h
(比較材:アルゴン中(PO2 = 10-13 Pa), 大気中(PO2 = 104 Pa)

TiO2粒子の特性
擬似体液に168 h浸漬後のTiO2粒子の表面SEM
および断面EDS像(上図)
および浸漬時間(t)とHAp被覆率(a)(下図)



期待される適応分野
生体活性骨セメント(人工膝関節・股関節・椎体等)

参考文献 [1] M. Hashimoto, K. Hayashi and S. Kitaoka, Mat. Sci. Eng. C., 33, 4155-4159 (2013)
[2] M. Hashimoto, S. Kitaoka, S. Muto, K. Tatsumi and Y. Obata, submitted.
参考文 本研究は、日本学術振興会科研費25420767の助成を受けたものである。



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