2012年度

JFCC研究成果集

未来開拓研究による環境・エネルギーへの挑戦

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2012-2

リチウムイオン電池用固体電解質の原子構造観察


技術のポイント

HAADF/ABF-STEM 法、EELS 分析を用いた固体電解質i0.34La0.51TiO2.94の積層欠陥の原子構造観察

基礎研究


背景
A-サイト欠損型ペロブスカイト酸化物 であるLa2/3-xLi3xTiO3 (LLTO) は、高イオン導電率を有することから、全固体型リチウムイオン電池の固体電解質材料として期待されている。
LLTOの高イオン導電性には格子欠陥や局所的な格子歪みが大きく影響を与えていると考えられているが、詳細な微構造解析はほとんどなされていない。

目的
走査透過電子顕微鏡により、積層欠陥の原子構造を明らかにする。

成果
(1) LLTOの積層欠陥の原子構造を明らかにした。
(2) 1/2ペロブスカイト構造ユニットずつシフトしたドメイン界面に存在する格子欠陥に、La原子が局所的に配位して積層欠陥は形成される。


・手法: 固相反応法で作製したLi0.34La0.51TiO3; 走査透過電子顕微鏡を用いて高角度散乱暗視野法
HAADF- STEM, EELS 元素マッピング

図1. 高角度散乱暗視野法(HAADF- STEM)により積層欠陥を直接観察した
(a) 低倍像および (b) 原子構造像
図2. 積層欠陥におけるLa/Ti/O元素の
EELS 元素マッピング



今後の展開
La元素が局所的に配列したドメイン粒界構造と
イオン導電特性の相関性について検討
高イオン導電性固体電解質等の
電池材料開発に寄与

謝辞:本研究は、トヨタ自動車(株)からの委託研究として実施したものである。



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