2012年度

JFCC研究成果集

未来開拓研究による環境・エネルギーへの挑戦

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2012-1

高性能SOFC開発のための燃料極/電解質界面構築の最適化


技術のポイント

界面導入層の利用により、燃料極/電解質界面抵抗を大幅に低減

基礎研究


背景
ランタンガレート系SOFCでは、電極/電解質界面反応を制御することが高性能SOFC開発のカギである。

目的
単セル発電特性に及ぼす界面導入層の効果と、発電特性向上要因の解析を行う。

成果
(1) 界面導入層混合割合が18〜30 mass%SFの時に最も高い出力密度が得られ、オーム損の低減がその主因である(図2)。
(2) 従来セルと比較すると、界面導入層によって燃料極/電解質界面抵抗が約1/8まで低減されることが明らかとなった(図3)。


・手法: 異なる混合割合のNiO-SDC/SrFeO3(SF)界面導入層を用いた単セルの構築(図1)
・評価: 電流遮断法によるオーム損と過電圧損の分離測定
厚さが異なる電解質を用いて燃料極/電解質界面抵抗を評価

図1. 従来セルと界面導入層を用いたセルの電極構築熱処理による界面反応の模式図

図2. 最大出力密度と電圧損の界面導入層 混合割合依存性
図3. 界面導入層(25 mass%SF)による
燃料極/電解質界面抵抗の変化



今後の展開
界面導入層を用いた単セルの
長期安定性の評価
高性能・高信頼性
ランタンガレート系SOFCの開発

参考文献 K. Kawahara et al., ECS Trans., 35, 527-532 (2011).
特願2011-007301 「固体酸化物形燃料電池及びその製造方法」
謝辞 本研究は、関西電力(株)との共同研究により実施したものである。



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