2012-5 ナノ粒子が分散した超電導線材の電子顕微鏡による微細構造解析 人工ピンニングセンターとして超電導層に形成されたナノ粒子を透過型電子顕微鏡(TEM)により解析 イットリウム系超電導線材は、強磁場中で臨界電流の低下および、臨界電流の磁場侵入角度依存性が知られている。これらを克服するため、超電導層に人工ピンニングセンターを導入する試みがなされている。 超電導層に導入された人工ピンニングセンターのサイズおよび分布をTEMを用いて詳細に解析し、超電導特性との関連を明らかにする。 (1) 電子線回折法によりナノ粒子を同定し、ナノ粒子の結晶方位を解析。 (2) EDSマッピングにより組成像からナノ粒子の分布を解析。 高磁場における超電導特性とナノ粒子の分布状態との関連を解明 ・PLD超電導層:BaHfO3(BHO)ナノロッドを分散 図1. BHOナノロッド分散PLD-GdBa2Cu3Oy層 ・MOD超電導層:BaZrO3 (BZO)ナノ粒子を分散 図2. BZOナノ粒子分散MOD-YxGd1-xBa2Cu3Oy層 微細構造解析から高磁場中において 高い臨界電流を有する超電導線材の開発を支援 超電導機器開発 参考文献 : T. Kato et al., J. Electron Microscopy, 59 (2010) S101. 謝辞 : 本研究は、イットリウム系超電導電力機器技術開発業務の一環として、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託により実施したものである。