2013年度

JFCC研究成果集

未来開拓研究による環境・エネルギーへの挑戦

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2013-2

次世代パワーデバイス材料4H-SiCカーボン面転位検出技術の開発


技術のポイント

高温KOH蒸気を用い、約1000℃で4H-SiCのカーボン面から転位を検出・分類する手法を開発

基礎研究


背景
4H-SiCのC(000-1)面から簡単且つ安価な転位検出手法がなかったため、C面上の結晶成長の最適化やデバイス性能評価はSi面より大きく遅れている。

目的
4H-SiCのC面から種々な転位(TSD,TED,BPD)を検出・分類できる簡単かつ安価な化学エッチング手法を開発する。

成果
(1) 高温KOH蒸気エッチング法を開発し、4H-SiCのC面の転位検出に成功した。エッチピット形状により、TSD,TED,BPDの判別ができた。
(2) C面とSi面に形成されたエッチピットの位置を比較することにより、SiC結晶内部における貫通転位の伝播挙動を評価した。
  マイグレーション・エンハンスド・エッチングのメカニズムの理解


・SiC試料:市販ウエハ、n≈1×1019 cm-3,8oオフ
・エッチング条件:温度900-1050℃、5-20分、N2ガス流量:1L/min
・観察:レーザー光学顕微鏡、SEM、AFM等

図1. KOH蒸気により1000oCで5分
エッチングしたC面の光学顕微鏡写真
図2. 同一領域内のC 面とSi 面ピットの位置相関
(a) KOH蒸気C面; (b) KOH蒸気Si面; (c) KN法Si面



今後の展開
蒸気エッチングメカニズムの解明
KOH以外エッチング剤の検討
大口径ウエハへの適用
C面結晶品質の向上、
欠陥密度の低減に寄与

参考文献 Y. Yao, Y. Ishikawa, K. Sato, Y. Sugawara, K. Danno, H. Suzuki, T. Bessho, Appl. Phys. Express 5 (2012) 075601
謝辞 本研究は、トヨタ自動車(株)からの委託研究として実施したものである。



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