2013-3 SiC結晶切断時の導入ダメージの評価と切断法による比較 放電加工法と遊離砥粒ワイヤーソー法による切断で導入されるSiC結晶欠陥の特徴を比較 パワーデバイス用ウエハ材料としてSiC結晶の利用の拡大が始まっているが、硬くて脆いため加工に時間がかかり欠陥が生じやすい。切断速度が大きく導入欠陥の浅い切断法の開発・選択を要する。 SiC結晶切断法選択の指針を得るために、放電加工法と遊離砥粒ワイヤーソー法で導入される欠陥の特徴を明らかにし、ダメージ導入メカニズムを推定する。 (1) 放電加工ではSiCが分解しSi, C,3C-SiCが主に形成される。 (2) 3C-SiCはスパイク状領域に存在する。本領域を起点として積層欠陥が生じている。 (3) 遊離砥粒切断では、積層欠陥や転位ループが形成される。 図1. 切断面形状 a)放電加工 Si,C除去後、 b)遊離砥粒ワイヤーソー 図2. ダメージ領域のラマンスペクトル ━ 放電加工 Si,C除去後、 ━ 遊離砥粒ワイヤーソー 固定砥粒ワイヤーソー切断との 比較による切断方法の選定 ウエハ高品質化加工コスト低減 謝辞 : 本研究は、近畿経済産業局の戦略的基盤技術高度化支援事業として実施したものである。