2013年度

JFCC研究成果集

未来開拓研究による環境・エネルギーへの挑戦

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2013-4

大角度収束電子線回折法を併用したSiC欠陥の定量解析


技術のポイント

低転位密度のSiC単結晶中に形成された様々な欠陥構造を精密に解析する技術を開発

基礎研究


背景
SiCは高耐圧・高速・低損失・高温動作という特長を有しており、Siに代わる次世代パワーデバイスとして期待されている。しかし、SiC単結晶内には様々な要因による結晶欠陥が形成されるため、デバイス特性が劣化する。

目的
六方晶SiC内に形成される結晶欠陥を正確に抽出し、その欠陥構造を透過電子顕微鏡により精密に解析することで、特性を劣化させるキラー欠陥と その構造との相関を明らかにする。

成果
(1) KOH+Na2O2エッチング法と集束イオンビーム(FIB)マイクロサンプリング法を連携させて、所望の位置からの転位抽出を可能にした。
(2) SiC単結晶中の欠陥解析に大角度収束電子線回折(LACBED)法を適用することにより、結晶欠陥の精密な構造解析を可能にした。


図1. (a) 大型六角形ピットとその直下に存在する貫通転位の模式図.
(b) エッチング後のSiC表面に観察されるエッチピット分布
図2. (a) LACBED法の模式図.
(b)-(d) 貫通転位から得られたLACBEDパターン



今後の展開
FIBマイクロサンプリング技術
およびLACBED計測技術の高度化
様々な結晶欠陥の構造解析に適用
六方晶SiC中の転位低減のための
指針をフィードバック

参考文献 Y. Sugawara, Y. Yao, Y. Ishikawa et al., Appl. Phys. Express, 5 (2012) 081301.
謝辞 本研究は、トヨタ自動車(株)からの委託研究として実施したものである。



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