2013-4 ナノロッドを導入したPLD-Y系超電導線材の微細構造観察 GdBa2Cu3Oy超電導層のTEM観察およびEDS分析を行い、導入されたナノロッドの形成状態を把握 Y(イットリウム)系超電導線材の磁場中における超電導特性向上を目的とし、超伝導層内にBaZrO3を代表とするナノサイズの非超電導相を導入した超電導線材開発が盛んに行われている。 PLD法により成膜されたGdBCO超電導層にそれぞれ導入された3種のナノロッド(BaHfO3(BHO) 、BaZrO3(BZO)、BaSnO3(BSO))の微細構造観察を行い、形成状態の把握および比較を行う。 (1) TEM観察により形成されたナノロッドの太さおよび長さに BHO < BZO < BSO の傾向がある。 (2) EDS元素分析により組成像から各ナノロッドの存在を確認。 超電導層内に導入されたナノロッドの存在状態の違いを解明 図1. CeO2基板上に形成された(a)BHO,(b)BZO,(c)BSOナノロッドを導入した GdBCO超電導層の断面TEM像(内部にナノロッドを拡大した断面TEM像) 図2. EDS元素分析による(a)Hf, (c)Zr,(e)Sn組成像および(b),(d),(f) EDS元素分析領域の断面TEM像 微細構造解析の観点より、磁場中における 高い超電導特性を持つ線材開発の支援 超電導機器開発 参考文献 : H. Tobita et al., Supercond Sci Technol. 25, 06202 (2012) D. Yokoe et al., J. Mater. Sci., 48, Issue 1, 125-131 (2013). 謝辞 : 本研究は、イットリウム系超電導電力機器技術開発業務の一環として、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託により実施したものである。