2013年度

JFCC研究成果集

未来開拓研究による環境・エネルギーへの挑戦

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2013-6

ナノスリット構造を有するゼオライト膜の構造解析


技術のポイント

結晶体の特異な緻密化現象によるナノスリットを包含するゼオライト膜の形成を確認

基礎研究


背景
石油化学工業における最も重要な分離プロセスの一つとして、水/酢酸分離がある。ゼオライト膜による分離は、蒸留に代わる大幅な省エネルギー効果が期待される新しい分離技術であり、膜の開発が国家プロジェクトとして進められている。

目的
優れた水/酢酸分離特性を有するゼオライト(MFI型)膜の微細構造を透過電子顕微鏡(TEM)を用いて解析し、特性発現の要因を解明するとともに膜の形成機構を解明する。

成果
「高Al濃度&F化物」反応溶液系の合成条件
⇒ 異方性の高い結晶成長&バンドル構造の形成
⇒ バンドル構造の発達にともなって、ナノスリットを包含する多結晶体膜構造が形成される


・手法:イオン研磨法による超薄片試料作製、Low-Dose法による透過電子顕微鏡観察

図1. バンドル構造を有するMFI型ゼオライト
からなる分離膜の断面TEM像
図2. 発達したバンドル構造結晶粒子の断面TEM像



今後の展開
ナノスリットの三次元構造の解明
ナノスリットの形成による、透過特性
の変化をMD計算によって解明
分離膜の設計指針の提案

謝辞 本研究の一部は、NEDO「規則性ナノ多孔体精密分離膜部材基盤技術の開発」プロジェクトにより行われた。



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