2015年度

JFCC研究成果集

次世代を支える新材料開発と先端解析技術

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2015-1

高感度電子線ホログラフィーによる薄膜太陽電池内部の電位観察


技術のポイント

世界最高感度の位相シフト電子線ホログラフィー法 を用いて、薄膜太陽電池内部の電位分布を定量計測

基礎研究


背景
次世代太陽電池の一つである薄膜シリコン太陽電池の内部は、p-i-n接合が形成されており、その電位分布の変化を利用して発電している。しかし、その電位分布をナノスケールで観察されたことはなかった。

目的
高感度、高分解能電子線ホログラフィーを用いて、太陽電池内部の電位分布を定量的に計測し、異なる発電特性を持つ試料の電位分布を比較する。

成果
(1) 従来の電子線ホログラフィーより、感度 3倍、空間分解能 8倍の 位相シフト電子線ホログラフィーを実現し、薄膜太陽電池内部に形成 されたp-i-n接合の電位分布を定量的に計測することに成功した。
(2) 異なる発電特性を持つ試料の電位分布を比較した結果、 低い特性の試料では、 i層の分布が平坦になっている事がわかった。(世界初)
発電メカニズムや低発電効率の原因などを直接評価する技術が確立


薄膜シリコン太陽電池の
(a) 構造の模式図
(b) p-i-n 接合のバンド図と発電メカニズム
定量的に計測されたp-i-n接合部の電位分布
発電特性が比較的高い試料の (a) 電位分布像と (b) 電位プロファイル
発電特性が比較的低い試料の (c) 電位分布像と (d) 電位プロファイル
特性の低い試料では、i層の電位分布が平坦になっている



期待される適応分野
・ 次世代太陽光発電デバイスの研究開発(薄膜太陽電池、化合物太陽電池など)
・ 有機ELなどの発光デバイスにも応用可能



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