2015年度

JFCC研究成果集

次世代を支える新材料開発と先端解析技術

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2015-13

欠陥構造による歪み場を利用した高電子移動度SrTiO3薄膜の開発


技術のポイント

SrTiO3結晶内部に欠陥構造による歪み場を導入し電子移動度向上に成功

基礎研究


背景
半導体の電子移動度は結晶に外部応力等により歪みを加えることで、電子移動度が向上する。一方、デバイス応用を考えると簡易的に歪みを導入する方法が求められている。

目的
歪みをNb添加SrTiO3結晶内部に欠陥構造(Sr空孔クラスター)により導入し、外部機構を使用せずに応力を発生させ電子移動度を向上させる。

成果
(1) Sr空孔クラスターを導入し歪み場を生じさせることに成功した。
(2) Sr空孔クラスターによりその周囲の結晶が歪み、電子移動度が単結晶に比べて向上した。
既存方法とは異なる歪み導入手法を用いた新規材料設計の開拓


・薄膜作製: パルスドレーザー堆積法
・評価特性: 電子移動度
・観察手法: 低角度環状暗視野(走査透過型電子顕微鏡)法 (LAADF-STEM法)

Sr空孔クラスターモデル図
Sr空孔クラスター及びSr空孔クラスターを含む薄膜と
SrTiO3単結晶のLAADF-STEM像
Nb添加SrTiO3単結晶と
Sr空孔クラスターを導入した
薄膜の電子移動度温度依存性



期待される適応分野
・ 高移動度半導体材料の開発
・ 高温領域で利用できる誘電体材料の開発

参考文献 国内特許:特願2012-200917 「導電性薄膜」
謝辞 本研究は、(独)日本学術振興会研究活動スタート支援の一部として実施したものである。



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