2015年度

JFCC研究成果集

次世代を支える新材料開発と先端解析技術

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2015-16

電子顕微鏡を用いた半導体材料の欠陥構造解析技術


技術のポイント

半導体結晶内に形成される多様な欠陥の抽出技術およびその欠陥構造を精密に解析する技術を連携

基礎研究


背景
SiCやGaNはその優れた物性(高耐圧・高速・低損失・高温動作)からSiの代替材料として期待されているが、その結晶内には種々の要因によりデバイス特性を劣化させる多種多様な欠陥が形成される。

目的
化合物半導体中に形成される転位や積層欠陥などを正確に抽出し、その欠陥構造を種々の電子顕微鏡法を用いて精密に解析することで、特性を劣化させるキラー欠陥とその構造との相関を明らかにする。

成果
(1) 化学エッチング法と集束イオンビーム(FIB)マイクロサンプリング法を連携させて、所望の位置からの欠陥抽出を可能にした。
(2) SiC単結晶中の欠陥解析に暗視野法、大角度収束電子線回折法および高分解能透過電子顕微鏡法を適用し、結晶欠陥の精密な構造解析を可能にした。


(a) 4H-SiCの六角形ピットと貫通転位の模式図
(b) SiC表面のエッチピット分布
(c) 貫通転位のウィークビーム暗視野像
(a) 大角度収束電子線回折法の模式図
(b) 4H-SiCの貫通転位から得たラウエ反射パターン
六方晶系SiCの断面高分解能走査透過電子顕微鏡像
(a) HAADF像  (b) ABF像



期待される適応分野
SiC、GaN、Diamondなどの次世代パワーデバイス用半導体材料の欠陥評価

参考文献 Y. Sugawara, Y. Yao, Y. Ishikawa et al., Mater. Sci. Forum, 778-780 (2014) 366.
謝辞 本研究は、トヨタ自動車(株)からの委託研究として実施したものである。



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