2016年度

JFCC研究成果集

新たな価値を創出する革新材料開発と先端解析技術

研究成果/第一原理計算 研究開発トップへ 2016年度の一覧へ

R-12
2016

Bi-Te系熱電材料における基底状態の構造探索と電気特性


技術のポイント

第一原理計算を用いて熱電材料であるBi-Te系固溶体の構造を明らかにし、電気特性を評価

基礎研究


背景
熱電材料として活用されているBi2Te3は不定比組成をとることが知られている。状態図では複数の規則相の存在が報告されているが、その構造および電気特性は不明である

目的
第一原理計算とクラスター展開法により固溶状態の探索を行う。得られた安定構造および準安定構造のバンドギャップを系統的に計算することで、電気特性への影響を調べる

成果
(1) BiTeおよびBi2Te3以外にBi4Teという基底構造、Bi7Te8、Bi5Te7などの準安定構造が見つかった
(2) バンド計算の結果、BiTeおよび Bi2Te3以外の構造ではバンドギャップのない金属的なバンド構造が見られた
(3) 準安定構造のXRDシミュレーション結果はBi2Te3のXRDパターンと類似しており、副生成物が微量の場合XRDによる定量は困難
半導体としての性能を得るためには厳密な化学量論組成での合成が必要


・手法: 第一原理PAW法(VASPコード)
クラスター展開法により得られた
約16万構造の形成エネルギー
Bi2Te3および準安定構造Bi4Te5のバンド構造



期待される適応分野
固溶状態の探索およびバンドギャップ
などの電子特性の評価
新規機能性固溶体材料の開発



研究開発トップに戻る