2016年度

JFCC研究成果集

新たな価値を創出する革新材料開発と先端解析技術

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R-18
2016

炭素繊維の強度に及ぼす過熱水蒸気処理の影響評価


技術のポイント

炭素繊維の引張強度に及ぼす過熱水蒸気処理時の添加ガス種と繊維表面形態の影響を評価

基礎研究


背景
CFRP廃材から炭素繊維を回収する方法の一つに、過熱水蒸気(SHS)による樹脂の分解除去がある。SHS処理時に酸素を添加すると、樹脂の除去が加速されるが、同時に繊維が酸化し強度低下する

目的
PAN系炭素繊維の強度に及ぼすSHS処理時の添加ガス種と繊維表面形態の影響を評価し、強度低下を抑制するための因子を明らかにする

成果
(1) 700℃のSHSに酸素を添加した場合、繊維表面形態の起伏の大きな繊維の方が平滑な繊維よりも、強度劣化しにくい
(2) 500℃付近のSHSに窒素とCO2を同時添加した場合、繊維の強度が著しく向上する
SHS処理において、繊維劣化を極力抑えた処理が可能であり、リサイクル繊維の品質向上のみならずバージン繊維の高付加価値化が期待される





期待される適応分野
・CFRPから回収する炭素繊維の品質向上
・CFRPから回収した炭素繊維の再使用によるCFRP製造コスト削減
・CFRP廃材の大幅削減

謝辞 本研究の一部は、NEDO委託事業「未来開拓研究プロジェクト/革新的新構造材料等研究開発」、経済産業省・戦略的基盤技術高度化支援事業、並びに、「知の拠点あいち」重点研究プロジェクトの一環として実施した



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