R-15 2017 網羅的ソフトモードフォノン探索によるHfO2薄膜の強誘電性の理論計算 網羅的ソフトモードフォノン探索を行うことにより蛍石型HfO2薄膜の強誘電性の起源について検討 半導体の次世代ゲート絶縁膜として研究されている蛍石型HfO2は薄膜形態にて強誘電性を示すことから近年注目を集めている。しかしながら、その強誘電性発現機構の詳細は充分に理解されていない 本研究では数千構造の計算を自動的に行い網羅的ソフトモードフォノン探索を行うことにより蛍石型HfO2の強誘電性の起源について検討を行った (1) 蛍石型HfO2の高温相であるFm3m相では正方晶P42/nmc相への相転移を引き起こすソフトモードが存在しP42/nmc相へ相転移する (2) 正方晶P42/nmc相では強誘電相である斜方晶Pca21相へつながるソフトモードも存在する (3) バルク形態にて観測される正方晶P42/nmc相から単斜晶P21/c相への一次相転移を薄膜形態で抑制することにより正方晶P42/nmc相から強誘電相への相転移が実現されていると考察 計算方法: 網羅的ソフトモードフォノン探索計算* *A. Togo and I. Tanaka, Phys. Rev. B, 87, 184104-1-6 (2013). 薄膜HfO2のP-Eヒステリシスループ実験値 大きな自発分極が観察されている Fm3m相HfO2のPhonon計算結果. P42/nmc相への相転移を引き起こすソフトモードが存在する 強誘電相転移メカニズムの解明 新規強誘電体材料の開発 謝辞 : 本研究は、JST「情報統合型物質・材料開発イニシアティブ(MI2I)」にて実施したものである