R-24 2017 ネオジム磁石の高温磁区・磁壁構造観察 保磁力が異なるネオジム磁石の磁区・磁壁構造変化を高温で直接観察 電気自動車などの次世代自動車に用いられるネオジム磁石は、使用温度の上昇と共に保磁力が低下する。高温での磁区・磁壁構造変化を動的観察することで、保磁力発生あるいは保磁力低下に関する知見を得ることは重要である 高温での動的観察による保磁力向上のための材料設計指針を得る (1) 着磁状態からの加熱では、低保磁力試料ほど低温で逆磁区発生 (2) 高温での磁壁移動には、保磁力の大小による明瞭な差違は認められないことを確認 保磁力向上には、磁壁移動抑制よりも逆磁区発生の抑制が重要 試料Aを着磁状態から加熱した際の磁区・磁壁構造変化 ※250℃で逆磁区発生 試料Bを着磁状態から加熱した際の磁区・磁壁構造変化 ※300℃まで加熱しても逆磁区の発生なし 外部磁場印加による試料Aの磁壁移動観察 観察温度:250℃ 外部磁場印加による試料Bの磁壁移動観察 観察温度:225℃ ・耐熱性磁石の開発 ・自動車用モーターの評価 参考文献 : T. Suzuki, et.al, Mater. Res. Soc. Symp. Proc., 1754, opl.2015.585 (2015). T. Suzuki, et.al, MRS Advances , 1, 241-246 (2016) . 謝辞 : 本研究は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業未来開拓研究プログラム 「次世代自動車向け高効率モーター用磁性材料技術開発」で実施したものである