R-26 2017 環境電子顕微鏡による金ナノ触媒の反応サイト可視化 環境電子顕微鏡を用いたガス反応中その場観察により触媒反応が起こる活性サイトの可視化・解明 バルクでは不活性な金も、ナノサイズにして金属酸化物に担持することでCOやプロピレンの酸化等の工業的に有用な反応に対して非常に高い活性を発現する。しかし、その反応メカニズムは解明されていなかった 反応ガス雰囲気下での動的観察が可能な環境セル電子顕微鏡を開発し、金ナノ触媒で起こるプロピレン選択酸化反応をその場観察する。触媒反応での生成物(プロピレンオキサイド)の発生場所を電子顕微鏡で捉えることにより反応サイトを特定する (1) 隔膜型の環境セル電子顕微鏡を開発し、最大2気圧までのガスを導入出しながら触媒反応をその場観察できるシステムを構築 (2) 反応生成物(プロピレンオキサイド)が、金と酸化チタン担体との接合界面周囲で発生することを動的に捉えることに成功 (3) 金/担体の界面周囲が反応サイトである事を明確化これは化学的手法での予測を裏付ける結果である 開発した環境セル電子顕微鏡の概略図 触媒反応その場観察TEM像 (△ 部に生成物が出現) および明らかになった反応モデル 触媒の反応メカニズムの直視解析 反応の阻害要因・活性劣化機構の解明 触媒性能の向上 新材料の設計創出 謝辞 : 本研究は、文科省「科研費(基盤C;#25390078)」および「ナノ材料科学環境拠点(GREEN)」の一環として実施したものである