2019年度

JFCC研究成果集

新時代の扉を開く革新的・材料開発/解析技術

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R-12
2019

NASICON型Na3V2(PO4)3におけるNaイオン伝導機構の解明




課題
Na3V2(PO4)3(NVP)は高効率Naイオン二次電池用電極材料として期待されて
いる。しかしながら、結晶構造とNaイオン伝導率の相関およびNaイオン拡散
機構は未知である。

解決手段
理論計算を用いて、結晶構造とNaイオン伝導の相関を系統的に解析した。
⇒ 組成:Na3V2(PO4)3;温度:273~1273K
⇒ 結晶構造:NASICON型a相(単斜晶)とγ相(菱面体晶)

成果・新規性
α相からNa配置が無秩序化することによりγ相へ相転移する。
γ相の方がα相よりNaイオン伝導率が高く、Naイオンが動きやすい。
Naイオンは、三次元的にNa空孔を介してNa2→Na1→Na2サイトで協調的に伝導することが明らかになった。


計算方法: 古典論分子動力学(MD)法、2万原子以上のスーパーセル
NVPの結晶構造(球の白い部分は空孔の占有率)
Naイオン拡散係数Dと温度Tの相関
γ-NVP中のNaイオン累積密度(左)
Naイオン拡散機構の模式図(右)



期待される市場・応用
Naイオン二次電池の実用化 持続可能エネルギー技術用蓄電など


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