2019年度

JFCC研究成果集

新時代の扉を開く革新的・材料開発/解析技術

研究成果/AIを活用した微構造解析と計算科学 研究開発トップへ 2019年度の一覧へ

R-35
2019

光触媒材料中の電子キャリアトラップの理論計算




課題
TiO2などの光触媒材料における触媒活性は、光励起された電子・ホールの寿命によってコントロールされるため、触媒材料中のキャリアトラップ挙動を解明・予測することが活性向上には必要である。しかし、電子キャリアトラップの挙動を理論的に明らかにする手法はまだ確立されていない。

解決手段
電子の挙動を精度高く予測できるハイブリッド汎関数を用いた第一原理計算により、TiO2多形中の電子トラップ状態を計算し、実験データとの比較を通じてその妥当性を明らかにする。

成果・新規性
ルチル、アナターゼ、ブルッカイトなどのTiO2多形において、Tiサイトにトラップされた電子状態とその光遷移エネルギーを理論的に明らかにした。
得られた光学遷移エネルギーは、近年の光学吸収エネルギー実験値と矛盾がないことがわかった。


トラップされた電子の光遷移過程
トラップされた電子の分布(↑、→)
TiO2多形においてトラップされた電子キャリアの
電子状態密度(DOS)



期待される市場・応用
光触媒、半導体関連

謝辞 本研究は、JSPS科研費新学術領域「複合アニオン化合物の理解:化学・構造・電子状態解析」(16H06440)で実施されたものである。


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