2020年度

JFCC研究成果集

マテリアル革新力を支える新材料開発と先端解析技術

1研究成果 / 革新複合材料・機能材料

R-11

2020

環境に配慮した高機能難燃剤の構造解析

課題

自動車産業、エレクトロニクス産業の発展において、自動車や電子機器の火災事故を防ぐため、従来の「ハロゲン系難燃剤」に代わる新たな安全・安心な産業用難燃剤の開発および評価技術の向上が必要である。

解決手段

難燃剤の脱ハロゲン化、環境での安定性を目指し、機能性の高いリン系難燃剤と、安全・低コストが期待できる有機酸系難燃剤を同時に活用した新規の高機能・環境に配慮したハイブリット難燃剤および難燃樹脂を実現するために、難燃剤の構造解析、熱分解挙動を解析する。

成果・優位性

・開発難燃剤の微構造観察により、ポリエステル生地上に、ハイブリッド難燃剤が、均一に分散していることが明らかになった。

・難燃剤を添加した樹脂は、発熱量が低減し、難燃特性が得られた。

・実験方法: 走査電子顕微鏡(SEM)、示差熱分析法、フーリエ変換赤外分光法

難燃剤を表面に塗布した繊維のSEM-EDS分析
難燃剤を樹脂と複合化することにより発熱量が低減

期待される市場・応用

・難燃剤の開発・解析・評価

・市場:自動車産業、エレクトロニクス産業、繊維産業、住宅産業

謝 辞:本研究は、経済産業省の「戦略的基盤技術高度化支援事業」の一環として中部経済産業局より補助を受けて実施されたものである。