5研究成果 / 革新将来機能材料
R-25
2020
酸素吸蔵材料Ca2AlMnO5+δにおける酸化物イオン拡散機構の研究
課題
Ca2AlMnO5+δは約500℃の中温領域で動作する酸素吸蔵材料として注目されている。実用化に向けて動作速度の高速化が望まれているが、吸収・放出の詳細は解明されておらず、有効な材料設計指針は確立されていない。
解決手段
酸素の吸収・放出現象は、物質表面の酸素吸脱着とバルク内部での酸化物イオン伝導の2つに大別される。本研究では、バルク内部に着目し、第一原理計算により酸化物イオン拡散の活性化エネルギーを計算した。
成果・新規性
・格子間拡散機構は、準格子間機構よりも活性化エネルギーが低い。
・放出相は酸化物イオンの1次元拡散なのに対し、吸収相は空孔の2次元拡散
・実験方法: 平面波基底PAW法(VASPコード)、Nudged Elastic Band法
期待される市場・応用
・工場等からの排熱を利用した空気分離装置用材料
謝 辞:本研究は、SIP「高速酸素吸脱着材料による革新的排熱利用酸素製造装置の開発」の一環として実施されたものである。