2021年度

JFCC研究成果集

脱炭素イノベーションをめざした革新材料開発/解析技術

1研究成果 / 革新環境材料

R-7

2021

SDGs13

水素分離膜の高透過率化

SDGs13

アピールポイント

ガス透過率の更なる向上を目指す分離膜製造法の提案
【技術シーズ:対向拡散CVD膜合成法】

課題

・有機金属を膜原料として使用する場合、原料の変質を防ぐためにキャリアガスとして不活性ガスを使用するため、膜細孔表面に原料の未反応部が残留

・膜細孔表面の残留物は透過に対する立体障害となり、ガス透過率が減少

解決手段

・膜合成後、合成温度未満の温度で加熱処理

・原料供給側へ反応ガスを供給

成果・優位性

・アモルファスネットワーク内を透過するガスは約1.6倍透過率が向上

・膜欠陥を主に透過するガスに対する選択性は維持

・透過率向上による必要膜面積および膜分離コストの低減

・軽微な装置の改造で対応可

・実験方法:対向拡散CVD法

対向拡散CVD法の模式図
シリカ膜細孔内残留物の立体障害効果
加熱温度と透過率変化の関係

期待される市場・応用

・ヘリウム、水素を対象としたガス分離膜

・多孔質膜の細孔径分布制御

謝 辞:本研究は、NEDO「グリーンサスティナブルケミカル基盤技術開発」で実施されたものである。