2021年度

JFCC研究成果集

脱炭素イノベーションをめざした革新材料開発/解析技術

1研究成果 / 革新環境材料

R-10

2021

SDGs12

CFRP製水素タンクからの過熱水蒸気を利用した炭素繊維回収

SDGs12

アピールポイント

大型CFRP製タンクから高品位炭素繊維を回収
【技術シーズ:過熱水蒸気処理】

課題

・燃料電池車用CFRP製水素タンクは充填可能期限が定められており、使用後のリサイクルが課題

・水素タンク等の大型・厚肉のCFRP廃材から炭素繊維(CF)を回収する際、CFRPの状態で切断・破砕するのは困難

解決手段

・過熱水蒸気でCFRP廃材を一次処理して破砕することにより、多様な形態の廃材を低コストで破砕

・次に二次処理を行って樹脂残渣を除去して、強度低下を抑制するとともに表面状態を制御した高品位リサイクルCFを回収

成果・優位性

・水素タンクを切断なしで効率的に処理可能な過熱水蒸気処理装置を導入

・TG-DTA/MSを用いて、構成樹脂から可燃性ガスが大量発生する領域を把握
→ 実炉の処理条件に展開し、温度暴走を抑えた一次処理条件を確立

・一次処理後の水素タンクは容易に破砕可能であることを確認

期待される市場・応用

・回収CFを用いたリサイクルCFRP部品への展開

発表文献・特許

M. Wada et al., Compos. A, 85 (2016) 156.
特許第6340619号、特許第6596790号

謝 辞:本研究の一部は、NEDO委託事業「革新的新構造材料等研究開発」の一環として実施されたものである。