2021年度

JFCC研究成果集

脱炭素イノベーションをめざした革新材料開発/解析技術

4研究成果 / 画期的微構造解析・処理技術

R-25

2021

SDGs9

酸化物高温超電導接合線材REBa2Cu3Oyの接合組織

SDGs9

アピールポイント

超電導機器の小型化が期待される接合界面組織の解明
【技術シーズ:界面原子レベル整合性解析技術】

課題

REBa2Cu3O(以下、REBCO(RE: Y、Gd、Sm等))超電導線材の超電導接合技術を開発*
* K. Ohki et al, Supercond. Sci. Technol., 30 115017 (2017).

・超電導接合組織について原子レベルで解明

解決手段

・YBCO原料を用いてGdBCO超電導線材を接合

・収差補正走査型透過電子顕微鏡により接合組織を観察

成果・新規性

・接合層はGdを含有しており、c軸がよく揃った(Y,Gd)BCO結晶により構成

・GdBCO超電導層と接合層の(Y,Gd)BCO結晶との界面を特定

・(Y,Gd)BCO接合結晶はGdBCO層からエピタキシャル成長

・RE元素が異なるREBCO線材と接合層の組み合わせでも、超電導接合を達成することが可能

・実験方法:収差補正STEM、JEM-2100F

GdBCO接合線材の断面模式図
(a)接合領域のHAADF像、(i)~(v)に(a)の(I)~(V)領域のFFTパターン、(b)、(c)にGdBCO層/超電導接合層界面(矢印)のHAADF像

期待される市場・応用

・高分解能NMR、MRI等に用いられる超電導コイル開発

発表文献

T. Kato et al., Supercond. Sci. Technol., 33 105008 (2020).
加藤ら、まてりあ、60 (4) 212-217 (2021).

謝 辞:本研究は、JST未来社会創造事業(JPMJMI17A2)による支援のもとで実施されたものである。