2021年度

JFCC研究成果集

脱炭素イノベーションをめざした革新材料開発/解析技術

4研究成果 / 画期的微構造解析・処理技術

R-27

2021

SDGs9

触媒Pt粒子表面の原子間距離計測

SDGs9

アピールポイント

ピコメートルスケールでの原子構造解析の実現
【技術シーズ:STEM法高精度画像取得+解析技術】

課題

・車載用燃料電池の本格的な普及には触媒性能の向上が求められており、触媒性能の支配因子となる粒子表面の構造解析が重要

・Pt系触媒は表面Pt原子間距離と触媒活性が関係していることが理論計算で予測されているが、粒子表面の原子間距離の実測データは殆どなし

解決手段

・走査透過電子顕微鏡(STEM)法に高精度画像取得と解析技術を組み合わせて、Pt粒子表面の原子間距離を計測

成果・新規性

・STEM像から高精度に原子輝点座標を抽出し、ピコメートルスケールの原子間距離計測に成功

・触媒Pt粒子のPt-Pt原子間距離を計測し、粒子表面では原子間距離が大きく変化していることを解明

・実験方法: 走査透過電子顕微鏡

・Pt粒子のHAADF STEM画像の原子位置(輝点中心)からPt-Pt原子間距離を解析
・粒子内部と表面での原子間距離頻度分布を測定
内部・表面原子間距離頻度分布

期待される市場・応用

・燃料電池電極触媒の表面制御による触媒性能の向上

謝 辞:本研究は、NEDO「燃料電池等利用の飛躍的拡大に向けた共通課題解決型産学官連携研究開発事業」で実施されたものである。