2021年度

JFCC研究成果集

脱炭素イノベーションをめざした革新材料開発/解析技術

5研究成果 / 高精度性能予測計算科学

R-31

2021

SDGs9

ペロブスカイト型LaLuO3系機能性材料の理論計算

SDGs9

アピールポイント

電子セラミックスの基礎特性を理論的予測
【技術シーズ:第一原理計算/フォノン分散計算】

課題

・次世代ゲート絶縁膜および蛍光体として注目されているペロブスカイト型LaLuO3の基礎特性や高温における相転移の詳細についてはまだ明らかでない点が多い。

解決手段

・結晶構造における八面体の傾斜と構造対称性の系統探索による候補多形の特定(12種類)

・第一原理計算による相安定性、バンドギャップ、誘電率などの評価

・フォノン分散計算を基に相転移機構の解析

成果・優位性

・相転移の順序と機構を予測(高温から冷却した際に現れる順番):Pm3m(立方晶)→I4/mcm(正方晶)→Imma(直方晶)→Pnma(直方晶)

・計算による低温相のバンドギャップおよび誘電率は実験値とよく一致

・まだ合成されてない相のバンドギャップ、誘電率などの予測

・計算方法:第一原理計算(VASPコード)、フォノン分散解析(Phonopyコード)

フォノン分散図
基礎特性
結晶構造と八面体チルト(傾斜)の関係

期待される市場・応用

・High-κ 絶縁体(ナノエレクトロニクスなど)

・ペロブスカイト酸化物ヘテロ界面

・温度測定用サーモグラフィー蛍光体など