3研究成果 / 先進微構造解析・処理技術
R-11
2022
小惑星リュウグウで形成された磁性ナノ粒子のホログラフィー観察
アピールポイント
マグネタイト粒子の磁区観察から天体の形成過程を探る。
【技術シーズ:電子線ホログラフィーによる磁区構造観察】
課題
・太陽系形成過程を探るのに小惑星や隕石の分析は重要
・残留磁気特性は形成時の磁気的環境を記録しているが、従来はマクロ測定のみ
解決手段
・電子線ホログラフィーを用いて、リュウグウで形成されたマグネタイト粒子内の磁区構造を直接観察し、リュウグウが持つ残留磁化の起源を特定
成果・新規性
・小惑星リュウグウのマグネタイト粒子は比較的大きく(1.0~1.5 μm)、渦状の磁区構造を持つことを観察
・隕石中の粒子と比べて、形状の対称性は若干低く、磁場が外部に漏れる傾向
→ リュウグウのマクロ磁場は、マグネタイトが主な起源
期待される市場・応用
・地球惑星科学分野の新たな知見の獲得や新しい磁性材料の開発にも寄与
発表文献
Nature Communications 4 (2013) 2649.
謝 辞:本研究の一部は、文部科学省「顕微イメージングソリューションプラットフォーム」の支援を受けて実施されたものである。