3研究成果 / 先進微構造解析・処理技術
R-13
2022
OBF STEM法による超高感度ゼオライト原子構造直接観察
アピールポイント
超高感度な電子顕微鏡イメージング手法の開発
【技術シーズ:分割型STEM検出器+新規画像処理法】
課題
・ゼオライトは電子線照射に極めて弱く、容易に試料が損傷
・低電子ドーズ条件では照射損傷を低減できる一方で、信号ノイズ比も低下
・精密な原子構造の直接観察・解析は極めて困難
解決手段
・走査透過電子顕微鏡(STEM)に分割型検出器を搭載
・電子顕微鏡結像理論にもとづいた新しい画像処理法として、最適明視野(Optimum Bright-Field:OBF)STEM法を開発
成果・新規性
・従来手法と比較して100倍程度高いイメージング感度を達成
・照射ダメージを抑えた低ドーズ条件にて、ゼオライト骨格構造の全元素サイトを明瞭に可視化
・実験方法: 走査透過電子顕微鏡、分割型STEM検出器
<観察条件>
・加速電圧300 kV, 収束半角15 mrad
・JEM-ARM300F with SAAF2 (16-seg.)
・プローブ電流:0.5 pA
期待される市場・応用
・ゼオライトにおける材料機能発現メカニズムの解明
・有機系試料など電子線に弱い物質の超高分解能構造解析
発表文献
K. Ooe et al., Ultramicroscopy 220 (2021) 113133.
謝 辞:本研究は、JSPS特別研究員奨励費(19J23138)および、JST先端計測分析技術・機器開発プログラム(JPMJSN14A1)の支援を受けて実施されたものである。