2022年度

JFCC研究成果集

新時代のマテリアル戦略を支える新材料開発と先端解析技術

4研究成果 / 次世代エネルギーデバイス

R-16

2022

SDGs7

LaCoO3系材料を用いた電極/​中間層/電解質界面の微細構造制御

SDGs7

アピールポイント

酸素極側界面での高抵抗SrZrO3相形成を抑制​
【技術シーズ:電極/電解質界面微細構造制御技術】

課題

・​SOECやSOFCの特性には電極・電解質の材料特性のみならず、電極/電解質界面で形成される高抵抗相も大きく影響

・酸素極側界面に反応防止層(中間層)を導入しても高抵抗なSrZrO3が形成

解決手段

・予備検討により明らかとなったSrとの親和性がZrよりも高いTiに注目​​

・噴霧熱分解法で酸素極材料(La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8O3-δ )のBサイトの一部をTi​に置換し、最適組成を検討

成果・優位性

・従来材料と比較して界面におけるSrZrO3形成を効果的に抑制​​

・長期作動を模擬した高温焼成セルでもSrZrO3形成抑制効果を確認​

・初期特性と長期耐久性の観点からTi置換量は、x=0.15が最適​

種々の組成のLSCFT酸素極を用いた単セルの酸素極側界面のSEM/EDS分析結果(Sr)
種々の組成のLSCFTを用いた単セル最大出力密度の酸素極焼成時間依存性

期待される市場・応用

・SOEC・SOFCの高性能化・高耐久化

・センサーや触媒などの電気化学デバイスの界面制御

謝 辞:本研究は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)からの委託業務「水素利用等先導研究開発事業/水電解技術高度化のための基盤技術研究開発/高温水蒸気電解技術の研究開発」(2018年度~)で実施されたものである。​