4研究成果 / 次世代エネルギーデバイス
R-18
2022
電気化学反応のその場電子顕微鏡観察に向けたMEMSチップ開発
アピールポイント
その場観察できる対象や条件を拡張する技術
【技術シーズ:カスタム電極によるその場観察】
課題
・水系電池長寿命化には充放電反応その場観察による劣化機構の解明が必要
・液中電気化学ホルダーを用いて電気化学反応の電子顕微鏡観察が可能
・観察に用いる市販のMEMSチップにはバリエーションが少なく、多くの場合、実際に電池が動作する環境の再現は困難
解決手段
・MEMSチップの製造プロセスを「クリーンルームで共通構造を持つベースチップの作成」と「自由な設計で微小電極のあとのせ」の二つに分割
成果・新規性
・自由度の高い電極設計とチップの生産性の維持を同時に実現
・試作品による亜鉛電析反応観察において、高い応答性を確認
・微小電極の表面状態に敏感な電気化学計測が可能
・電界集中を意図的に発生させる等、モデル化した反応の観察が可能
・実験方法: 透過型電子顕微鏡(Titan E-TEM)、液中電気化学ホルダー(Poseidon)
MEMSチップによる亜鉛電析反応のその場TEM観察像
期待される市場・応用
・電解質溶液中における電析反応の可視化
・金属電極の劣化挙動の解析
・電析生成物の電極形状依存性の調査など
発表文献
Yuki Sasaki et al., J. Electrochem. Soc.,168,112511 (2021).
Yuki Sasaki et al., Microscopy, (2022). DOI:10.1093/jmicro/dfac023
謝 辞:本研究は、NEDO「革新型蓄電池実用化促進基盤技術開発(JPNP16001)」「電気自動車用革新型蓄電池開発(JPNP21006)」において実施されたものである。