2022年度

JFCC研究成果集

新時代のマテリアル戦略を支える新材料開発と先端解析技術

4研究成果 / 次世代エネルギーデバイス

R-22

2022

SDGs9

中性子準弾性散乱と理論計算による​Liイオン伝導機構解析

SDGs9

アピールポイント

固体電解質(La, Li)TiO3のLiイオン伝導機構解析
【技術シーズ:原子レベル材料特性解析】

課題

・​空気中で安定な全固体電池用固体電解質として(La, Li)TiO3が期待されている。

・室温付近でのLiイオン伝導度は硫黄系固体電解質と比較すると1桁程度低いことが課題​

解決手段

・中性子散乱能が高いLi置換した巨大単結晶を育成​

・​中性子準弾性散乱測定により原子レベルのLiイオン伝導を計測

・第一原理分子動力学計算による有限温度伝導経路計算​

成果・新規性

・ (La, Li)TiO3のLiイオン伝導機構を解明

・原子レベルでは硫黄系固体電解質LPSと同等のLiイオン伝導度を有していることが判明​

・実験方法:単結晶育成:一方向凝固法​
中性子準弾性散乱:J-PARC MLF 中性子背面反射型分光器DNA​
第一原理計算:PAW法(VASPコード)

中性子散乱能が高いLi置換した
巨大単結晶を育成
中性子準弾性散乱測定により
原子レベルのLiイオン伝導を計測
第一原理分子動力学計算による
有限温度伝導経路計算

期待される市場・応用

・イオン伝導メカニズムの解明

・酸化物固体電解質材料のLiイオン伝導率向上

発表文献

Masato Matsuura , Yasuyuki Fujiwara, Hiroki Moriwake, Koji Ohara, and Yukinobu Kawakita, Phys. Rev. B 104, 094305 (2021)​​

謝 辞:本研究は、文部科学省「データ創出・活用型マテリアル研究開発プロジェクト事業」の一環として実施されたものである。