4研究成果 / 次世代エネルギーデバイス
R-25
2022
酸素吸蔵材料YBaCo4O7+δの低温焼成に伴う欠陥形成
アピールポイント
酸素吸脱着材料の低温合成による欠陥構造を解明
【技術シーズ:走査透過電子顕微鏡/EELS価数マップ】
課題
・低炭素化に寄与する酸素吸脱着材料を用いた酸素製造技術の高度化には、酸素吸蔵量の増加と吸蔵放出速度の向上が必要
・酸素吸脱着材料YBaCo4O7+δの低温焼成は粉末比表面積を増大するが、酸素吸蔵量と吸蔵放出速度にトレードオフの関係があり、その原因が未解明
解決手段
・走査透過電子顕微鏡(STEM)と電子エネルギー損失分光法(EELS)を用いて低温焼成に起因するYBaCo4O7+δ中の欠陥構造の解明
成果・優位性
・STEMの原子分解能観察により低温焼成した酸素吸脱着材料YBaCo4O7+δにおいて積層欠陥が形成されることを発見
・YBaCo4O7+δの表面では欠陥形成に伴いCoの価数が変化することをEELスペクトル解析から解明
・実験方法: 走査透過電子顕微鏡、電子エネルギー損失分光法
期待される市場・応用
・酸素貯蔵と放出特性のメカニズム解明による酸素吸脱着特性の向上
・高効率・低コストによる酸素製造プラント
謝 辞:本研究は、SIP「高速酸素吸脱着材料による革新的排熱利用酸素製造装置」で実施されたものである。