2022年度

JFCC研究成果集

新時代のマテリアル戦略を支える新材料開発と先端解析技術

4研究成果 / 次世代エネルギーデバイス

R-27

2022

SDGs7

プロトン伝導セラミック燃料電池​空気極材料LaMO3の溶解性評価

SDGs7

アピールポイント

電極材料用混合伝導体における基礎特性の理論的予測
【技術シーズ:プロトン溶解性の理論計算】

課題

・高効率プロトン伝導セラミック燃料電池(PCFC)を実用化するため、空気極として使用される高いプロトン伝導性を持つ混合伝導体の開発が喫緊の課題​

・プロトン伝導率の支配因子であるプロトン溶解性が高い材料の選択が必要​

解決手段

・ペロブスカイト型LaMO3M=V-Ni)における安定なプロトンサイトを理論計算により系統的に探索​

・2種類のプロトン溶解反応の反応エネルギーを評価

成果・優位性

・結晶構造の対称性の低下により、結晶内のプロトンサイトが増加

・エネルギー計算より、酸素空孔を介した溶解過程がホールより支配的​

Mカチオンの3d電子が少ないほど、プロトン溶解性が高い。​

・計算方法:第一原理計算(VASPコード)

最安定なプロトン配置
2つの候補プロトン化機構
M=V、Crの△Hvacはプロトン
電解質BaZrO3の値と同程度

期待される市場・応用

・混合伝導体(触媒材料、電極材料、水素透過膜など)

・PCFC、プロトン伝導セラミック電解セル、水素センサなど

謝 辞:本研究は、NEDO「超高効率プロトン伝導セラミック燃料電池デバイスの研究開発」プロジェクトで実施されたものである。