2023年度

JFCC研究成果集

GX時代のマテリアル戦略を支える新材料開発と先端解析技術

1研究成果 / 脱炭素

R-6

2023

SDGs9

内殻電子励起スペクトル計算を用いたナノ構造分析

SDGs9

アピールポイント

Al、O等のK端スペクトル計算の適用範囲拡大
【技術シーズ:第一原理計算、コア・ホール計算】

課題

・電子エネルギー損失分光(EELS)やX線吸収分光(XAS)により得られる内殻電子の励起・スペクトルには、化合物中の局所的な配位環境や結合状態の情報が含まれ、その特徴を理解するにはスペクトル計算との連携が必要だが、適用範囲が限定的

解決手段

・第一原理計算に基づいたコアホール計算を適用​

・Alを微量固溶した複合酸化物(Y2Ti2O7)において、各点欠陥モデルにおけるAl K端の理論スペクトル計算を実施し、実験スペクトルと比較

・Ybを含むシリケート(Yb2Si2O7、Yb2SiO5)において、O K端の理論スペクトル計算を実施し、実験スペクトルと比較​

成果・新規性

・Al添加Y2Ti2O7において、AlがTiサイトに固溶することを示唆

・Ybシリケートの実験スペクトルと対応する理論スペクトルを取得

・計算方法:第一原理計算・コアホール計算

Al添加Y2Ti2O7のAl K端の理論スペクトルとX線吸収分光スペクトル
YbシリケートのO K端の理論スペクトルと
電子線エネルギー損失スペクトル

期待される市場・応用

・電子エネルギー損失分光やX線吸収分光と連携した無機材料の局所構造解析

謝 辞:本研究の一部は、JSPS科研費(19H05792)等の支援を受けて実施されたものである。