2023年度

JFCC研究成果集

GX時代のマテリアル戦略を支える新材料開発と先端解析技術

2研究成果 / 次世代電池

R-14

2023

SDGs7

燃料電池空気極材料LaCoO3のH+トラッピングエネルギー解析

SDGs7

アピールポイント

電極材料用混合伝導体における基礎特性の理論的予測
【技術シーズ:プロトントラッピングの理論計算】

課題

・高効率プロトン伝導セラミック燃料電池(PCFC)を実用化するため、空気極として使用される高いプロトン伝導性を持つ混合伝導体の開発が喫緊の課題

・プロトン(H+)が添加元素にトラップされ拡散遅延が発生

解決手段

・ペロブスカイト型Sr添加LaCoO3におけるSrとOH-とのH+トラッピングエネルギー(ΔEas)を解析​

・H+トラッピングの強さを評価​

成果・新規性

・ΔEasは負であり、H+が添加元素にトラップされた状態の方が安定

・最安定構造ではΔEasは-0.26 eV、Sr-H距離(dSr-H)は3.36 Å

→ Y添加BaZrO3(ΔEas = -0.23 eV)と同程度の会合状態にあることが示唆

・計算方法:第一原理計算(VASPコード)、スーパーセル

PCFCにおける空気極反応
Sr最隣接OにHがSrから離れる方向に結合した際に最安定

期待される市場・応用

・混合伝導体(触媒材料、電極材料、水素透過膜など)

・PCFC、プロトン伝導セラミック電解セル、水素センサなど

謝 辞:本研究は、NEDO「超高効率プロトン伝導セラミック燃料電池デバイスの研究開発(JPNP20003)」プロジェクトで実施されたものである。