2023年度

JFCC研究成果集

GX時代のマテリアル戦略を支える新材料開発と先端解析技術

6微構造解析

T-36

2023

SDGs

EBSD法を用いた​微細領域高精度歪み解析技術​

SDGs

技術のポイント

EBSD-Wilkinson法は、EBSD-KAM等による歪み解析で​は検出が困難な微小歪みを検出することが可能​

保有装置/技術

・電界放出型走査電子顕微鏡 JSM-7800F Prime(日本電子製)​
・結晶方位解析装置 Digiview V EBSD System(TSLソリューションズ製)
・CrossCourt4 歪み解析ソフトウェア​

電子線後方散乱回折(EBSD)法:試料に照射された電子が試料内で拡散し、拡散した電子​は回折され反射電子として試料から放出される。その際​に生じる反射電子回折パターン(EBSDパターン)を用​いて局所領域の結晶方位や結晶構造を解析する。

EBSD-KAM歪み解析手法    :EBSD解析にて各点の結晶方位を算出後、得られたオイ​ラー角の値を用いて、1つの測定点とそれを取り囲む周​囲の測定点との方位差を平均化し、中央の測定点の歪み​値(KAM値)とする。

EBSD-Wilkinson歪み解析手法 :ある測定点のEBSDパターンを基準にそれ以外の測定点​のEBSDパターンとの比較を行い、結晶粒内の歪みを解​析する。

活用/成果例


Siウェハー(#8000相当のダイヤモンドシートにて研削)の加工影響領域評価解析

EBSD-KAM map​

検出限界以下のため、評価困難​

EBSD-Wilkinson map(縦方向)​

表層より4 μm程度の圧縮歪みを検出​

通常のEBSD法による歪み解析では検出困難な微小歪みの解析に成功​

適用分野

・微小領域での結晶系解析

・結晶相分布解析​

・結晶方位分布解析

・結晶粒径分布解析​

・結晶歪分布解析