2023年度

JFCC研究成果集

GX時代のマテリアル戦略を支える新材料開発と先端解析技術

6微構造解析

T-37

2023

SDGs

EBSD-EDS同時検出による​結晶方位および相分離解析技術​

SDGs

技術のポイント

従来のEBSD法では結晶相分離が困難な材料系に対して、​EDS元素分析と組み合わせることで相分離解析が可能​

保有装置

・電界放出型走査電子顕微鏡 JSM-7800F Prime(日本電子製)​
・結晶方位解析装置 Digiview V EBSD System(TSLソリューションズ製)​
・エネルギー分散型X線分光装置 JED-2300(日本電子製)

活用/成果例

(Y,Gd)Ba2Cu3Oy層で接合したGdBa2Cu3Oy超電導接合線材の​EDS元素マッピングおよび結晶相分離、結晶方位解析

1. EBSDのみでの解析結果

GdBa2Cu3Oyおよび(Y,Gd)Ba2Cu3Oyは結晶構造(orthorhombic)が同一であり、格子定数も非常に近いためEBSDパターンのみでは区別が困難​

EBSD結晶相分離解析結果

EBSD解析では同一の結晶構造を有する組織の相分離は困難

2. EBSD-EDS同時検出による複合解析結果

EBSD測定時に同時検出したEDS元素マッピング結果​
EDS元素マッピング結果を反映したEBSD結晶相分離解析結果と結晶方位解析結果(c軸の角度分布)

EBSD-EDS複合解析を行うことで同一結晶構造組織の相分離に成功

謝 辞:超電導接合線材は土井俊哉教授(京都大学)、大木康太郎博士(住友電気工業(株))から提供いただいた。本研究は、JST未来社会創造事業(JPMJMI17A2)による支援のもとで実施されたものである。

適用分野

結晶化合物全般を対象に

・微小領域での結晶系解析

・結晶相分布解析

・結晶方位分布解析

・結晶粒径分布解析

・結晶歪分布解析