4研究成果 / 誘電体材料設計
R-19
2024
強誘電性半導体LaWN3の相安定性および電気的特性
アピールポイント
非酸化物強誘電性半導体の基本物性の予測
【技術シーズ:第一原理計算、フォノン(格子振動)計算】
課題
・厳しい環境またはナノスケールで使用できる高度の強誘電性半導体を開発するため、ペロブスカイト型窒化物が注目されている。
・試行錯誤を通じて実験的に探索するのではなく、計算化学を使用して様々な候補材料の特性を予測し、材料設計指針を取得することが期待されている。
解決手段
・ペロブスカイト型窒化物であるLaWN3の相安定性、相転移機構をメタ一般化勾配近似(meta-GGA)交換相関汎関数を用いた第一原理計算により予測
・格子エネルギーおよびフォノン分散計算により、相転移挙動を解明
・電子のバンド構造、状態密度等により電気的特性(バンドギャップ)を予測
成果・新規性
・原子・電子レベルで相転移機構を解明
・高温での非強誘電体から低温の強誘電体への転移を予測
・バンドギャップ(Eg)は実験の結果と一致
・計算方法:第一原理計算(VASPコード)、フォノン分散計算(Phonopyコード)
期待される市場・応用
・先進電子部品(小型圧電素子、ミクロスイッチ、不揮発性メモリ等)
・量子技術(量子光学デバイス等)
発表文献
Y. Fang, C. A. J. Fisher et al., Phys. Rev. B 95, 014111 (2017)
謝 辞:本研究は、JSPS科研費(23K04390)の支援により実施されたものである。