2024年度

JFCC研究成果集

グリーンイノベーションを推進する次世代マテリアル開発と解析技術

6微構造解析

T-36

2024

SDGs

EBSD法を用いた微細領域高精度歪み解析技術​

SDGs

技術のポイント

HR-EBSD法は、EBSD-KAM等による歪み解析では検出が困難な極小さな歪みを検出することが可能​

保有技術/装置

・電界放出型走査電子顕微鏡 JSM-7800F Prime(日本電子製)​
・結晶方位解析装置 Digiview V EBSD System(TSLソリューションズ製)
・Fast CrossCourt4 歪み解析ソフトウェア​

電子線後方散乱回折(EBSD)法:

試料に照射された電子が試料内で拡散し、回折され反射電子として試料から放出される。その際に生じる反射電子回折パターンを用いて局所領域の結晶方位や結晶構造を解析する。

EBSD-KAM歪み解析手法:

EBSD方位解析にて各点の結晶方位を算出後、算出された方位の値を用いて、1つの測定点とそれを取り囲む周囲の測定点との方位差を平均化し、中央の測定点の値とする。

EBSD-Wilkinson歪み解析手法(※HR:High angular resolution):

ある測定点のEBSDパターンを基準にそれ以外の測定点との比較を行い、結晶粒内の歪みを解析する。

活用/成果例


研磨シート(#1000相当)により研磨を行ったSi、SiC、GaN基板の結晶歪み(E11)マップ

測定条件:測定領域:20×50 μm 測定点間隔:0.1 μm 加速電圧:30 kV

HR-EBSD法による結晶歪み解析にて
EBSD-KAM法による測定では解析困難な微小歪みの解析に成功​

適用分野

・微小領域での結晶系解析

・結晶相分布解析​

・結晶方位分布解析

・結晶粒径分布解析​

・結晶歪分布解析