2011年度

JFCC研究成果集

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2011-2

アルミナ中のAlの粒界拡散制御


技術のポイント

Al2O3双晶膜を介した高温の酸素透過性を評価解析することで、Alの粒界拡散を支配する因子を解明

基礎研究


背景
耐熱合金の良好な耐酸化性は保護膜としてAl2O3スケールが形成されるからであるが、膜の健全性を長期間維持するためには、Alの外方向の粒界拡散を支配する粒界構造因子を解明し抑制することが重要である。

目的
高温の酸素ポテンシャル勾配下において、Al2O3双晶膜を介したAlの粒界拡散性に及ぼす粒界構造の影響を評価し、Alの粒界拡散を支配する粒界構造因子を解明する。

成果
(1) Alの粒界拡散係数(Dgbδ)は結晶整合性の増加に伴い低下。
(2) AlのDgbδは粒界におけるAl-O平均結合距離に比例する傾向。(距離低下→配位数増加)
⇒ 酸素配位数の大きな粒界偏析元素(例えば、Hf)によりAlの粒界拡散を抑制可能。
  Alの粒界拡散を支配する因子を解明したのは世界発


図1. Al2O3双晶サンプル
図2. Alの粒界拡散係数とAl-O平均結合距離の関係
図3. Alの粒界拡散係数とAl-O平均結合距離の関係



今後の展開
アルミナ中のAlとOの粒界拡散性を同時に抑制する元素修飾等の手法開発
スーパーアルミナ膜・バルクの創製

参考文献
T.Matsudaira et al., J.Mater.Sci.,46,4407-4412(2011).
Acta Mater.,58,1544-1553(2010), 59(2011) (in print).
謝辞 本研究の一部は、文部科学省科学研究費補助金特定領域研究 「機能元素のナノ材料科学(領域番号474)」 の一環として行われたものである。



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