2011年度

JFCC研究成果集

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2011-3

SiCウエハの高品質機械研磨法の開発


技術のポイント

化学機械研磨を必要としない低コストで研磨による転位の発生を削減した研磨技術の開発

実用化研究


背景
SiC結晶の品質が向上して転位密度が、研磨で発生する転位密度と同じレベルにまで下がってきた。しかし、転位の発生を抑えた高品質の研磨技術がない。

目的
SiCウエハ研磨の高品質化・低コスト化を実現するため、平坦性が高く、転位の発生を抑えた機械研磨技術を開発する。

成果
・機械研磨(MP)で化学機械研磨(CMP)並みの表面粗さRa=0.37nmを実現。
・エピ膜成長による基底面転位の貫通刃状転位への変換率98%
・研磨によって発生した転位は市販ウエハより少なく、0.4μmより浅いところに分布した。


モデル材:Zr固溶Y2O3表面を高温で窒化処理することで、表面近傍にNとZrのコドープ領域を形成。

図1. 転位列密度のエッチング量依存性
(エピ成長で条痕を起因とした転位列が発生)
A:A社MP, B:B社CMP,C:C社MP,
D:D社ウエハ-アクトMP
図2. エピ膜のエッチピット像
市販ウエハに開発した機械研磨後にエピ成長
図3. 条痕起因の転位列の例



今後の展開
本研磨技術の適用範囲
(メーカ・オフ角・結晶形など)の確認
SiCウエハ研磨のサンプル出荷の開始

謝辞 本研究は、近畿経済産業局の戦略的基盤技術高度化支援事業として実施したものである。



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