2014年度

JFCC研究成果集

技術革新を支える新材料開発と先端解析技術

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2014-1

過熱水蒸気を利用したセラミックス成形体の高速脱脂


技術のポイント

過熱水蒸気を利用することにより、脱脂処理時間を大幅に低減

実用化研究


背景
従来のセラミックス成形体の脱脂においては、成形助剤(有機物)の急激な熱分解・酸化(熱暴走)とそれに伴う熱衝撃等による成形体の割れを防止するため、非常に緩やかに昇温する必要があり、極めて長時間の処理を要する。

目的
セラミックス製造における生産効率の飛躍的向上と工場(連続炉)のダウンサイジンク化の一環として、過熱水蒸気脱脂により、成形体のき裂の発生を抑制しつつ、成形助剤成分を高速・短時間で除去する技術を開発する。

成果
アルミナモデル成形体(Φ120×H120mm)を用いて、過熱水蒸気脱脂を検討した結果、従来の大気脱脂に比べて、脱脂処理時間(脱脂処理温度における保持終了まで)を1/10以下に低減可能であることを確認した


図1. バッチ式高温クリーン過熱水蒸気処理装置の概念図
図2. アルミナモデル成形体の脱脂処理−焼結後の外観




期待される適応分野
? 各種セラミックス成形体の高速脱脂
? 金属を含む成形体の高速脱脂
 (酸素分圧を制御することで、金属の酸化を抑制し有機物を除去)

参考文献 [1] 北岡諭、田中誠、セラミックス、46 (2), 138-140 (2011).
[2] 特開2012-148941
謝辞 本研究は、経済産業省の「戦略的基盤技術高度化支援事業」の一環として実施したものである。



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